【書評】「なぜ、システム開発は必ずモメるのか? 49のトラブルから学ぶプロジェクト管理術」

良い本に巡り会えたのでご紹介。

なぜ、システム開発は必ずモメるのか?  49のトラブルから学ぶプロジェクト管理術

なぜ、システム開発は必ずモメるのか? 49のトラブルから学ぶプロジェクト管理術

 

 

この手のタイトルは巷に流布してますが、本書は個性あふれるキャラクターの会話形式を取りつつ、ポイントを押さえた内容となっており、「あー、あるある」と共感しながらさくっと読めてしまう素晴らしい本です。

 

机に向かってガッツリと勉強したい!っていうよりも、「システム開発(特に、Water Fall)全体を俯瞰したい!その中でどんなところでつまずくことがあるのか」という点を押さえたい人に向いているかと。

 

特に、IT裁判での事例や標準やベストプラクティスを参照しているのがGood。

裁判では客観的な意見を重要とするので、この手の事例を頭に入れていると、

実務における意思決定のヒントになります。

 

「CHAPTER1 要件定義」と「CHAPTER2 プロジェクト計画と管理」の約100ページまでが特に秀逸。プロジェクトでコケるポイントをよくとらえている。(実際、プロジェクトがデスマーチへと化す可能性があるのはこの点ですからね。)

 

100ページくらいをさらっとみたい方は、本屋で軽く立ち読みする程度で良いかと思いますが、あまり高い本ではないですし、章立てになっており、1章5分くらいで読めるので、隙間時間を活用したいなら購入しても良いのではないでしょうか。